会長挨拶
一般社団法人福岡県私設病院協会
会長
中尾 一久
一般社団法人福岡県私設病院協会は、1962年(昭和37年)10月に県内の民間病院による任意団体として発足、昭和45年に2月に社団法人化、更に平成26年4月に一般社団法人へ移行し、公衆衛生の向上に寄与し、県民の健康を図ることを目的として民間病院の管理運営その他必要な事業、活動を行い、現在の会員病院数は244件となっております。
具体的な活動として理事会を定期的に開催しながら、医療の質の向上と人材育成を図る研修会開催、協会活動を情報提供する広報誌発行、事務長・看護部長により喫緊の課題に対する委員会開催、行政等への提言活動、更に地域医療に貢献する看護師を育成する看護学校や病院寝具等を扱う福岡医療関連協業組合の運営など、多岐に亘る活動を行っております。
さて昨今の医療や介護業界の経営は日に日に厳しさが増してきております。令和6年度の診療報酬改定において、+0.88%とプラス改定にはなりましたが、そのほとんどは働き手の昇給に充てられ、諸物価高騰を考えますと医療機関は赤字経営になります。働き手の給料が上がることは、大歓迎で、必要なことですが、医療機関にもある程度の利益がないと、経営できません。公的病院とは違い、多くの民間病院や施設は、その利益から税金を払っております。やはり、この変化の激しいVUCA(変動性・不確実性・複雑性・あいまい性)時代においてこそ、我々民間病院の存在価値を示す必要があると感じています。今のような先が見えない時代に、人々がどのように生きていけばよいのか?言い換えれば、海図のない時代に海図を示すことが必要だと考えます。
我々は、国民の生活や生命を守るという崇高な社会貢献を事業として行っています。このことは、とっても尊いことですし、誰かがやり続けなければなりません。今から100年以上前の明治時代後半もまさしく今と同じような時代であったそうです。その時代に(故)内村鑑三氏が、「人生、何を成したかよりどう生きるか」という言葉を残しています。今世の中で一番足りないのは、このやる気と行動力ではないでしょうか?
そこで当協会のスローガン、或いは使命と言っていいかもしれませんが、「民間病院は地域医療を守る要である」としたいと思います。そして、心構え或いは方針としては、~自責で捉え、利他を追求する~ 即ち、何事も自分事と捉え、他のせいにせずに、自分で考え、自分でできることから始め、自分以外(患者さんや職員)のために利益があるような仕事をしようということです。そして我々民間病院こそが、地域における人々の健康と生活を守り続けることができる存在だと確信しております。
このような考えで、皆様のご協力を頂きながら、今後会長としての職責を全うして参りたいと考えております。つきましては今後共ご支援、ご鞭撻のほど、心からお願い申し上げます。